正確な技と発想力を磨き、金属を柔軟にデザインする。
溶かした金属を型に流して形づくる「鋳金」。金属をたたいて形をつくる「鍛金」。金属の板に鏨などで模様を彫る「彫金」など、金属工芸には様々な技法があります。その素材も金、銀、銅、鉄など多彩です。1年次に一通り幅広く学び、取り組むべき技法を見極めるため、各種技法を課題制作の中で習得。3年次以降は各自の方向性に沿って、自由制作に取り組みます。

最高峰の技術が身につく3つのPOINT
1 幅広い金属工芸の技法を習得。造形・デザイン力も同時に養う。
2 各分野の専門家が揃った講師陣。追求したい技法を深く学べる。
3 彫金や鍛金で使用する鏨や当て金などの道具作りも学ぶ。
目指せる主な職種
彫金家 / 鎚起師 / 錺金具職人 / 鍛冶師 / 文化財修復士 /
体験教室インストラクター / 七宝デザイナー / アクセサリーデザイナー /
ジュエリーデザイナー / 学校教員 など
こうして基礎技術が身につきました。
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課題1
定型板
銅の定型板を型通りに糸ノコで切り、ヤスリで削るなど、金属の扱いに慣れていく練習をしました。糸ノコをまっすぐに扱うことが大切。必要な所まで切ってしまわないように注意します。
金属を見る角度や姿勢など、基礎的な細かいことを習得。銅は柔らかいので成形しやすく、今後一番使っていく素材です。
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課題2
彫金
鏨を使って連続した模様や文字、線など様々な模様にチャレンジ。装飾を施していく彫金の基本的な技法をマスターします。
実はまっすぐな線ほど難しくて、ごまかしがきかないので集中力がいるんですよ。最後の加飾の部分なので、より緊張感が高い作業です。
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課題3
鍛金
1枚の金属板(直径約180mmの板)から作ります。板を当て金にしっかり当てて叩き、伸ばすなど、継ぎ目無しで成形していく技術です。叩いた時の音や感触にも気を配り、均一に叩くことがポイント。
打ち鍛えることで金属の組織が密になります。思い通りのカタチに成形するために、当て金などの工具も作る作品に合わせて制作することも。使うことができます。
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卒業・修了制作
イタリア出展
一般財団法人京都伝統工芸 産業支援センター佳作
「いのまま」φ110×H85(mm)

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制作者コメント
2個セットの蓋ものを制作しました。2つの大きさを揃えるのが難しく、金槌で叩き金属の棒で調節しながら、広げて絞る(縮める)作業を繰り返しました。
表面をやすりで削り、砥石でさらに磨くことで、ピカピカに艶を出しました。
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こだわりPOINT
蓋の部分に透かしを入れて二重構造に仕上げました。透かした部分の下に、磨いた板を入れて、そこに透かし部分が映り込むよう工夫を重ねました。
在校生VOICE

大卒後、TASKに入学。金属工芸で自分らしいものづくり。
大学でガラス工芸を学んだ後、TASKへ。金属工芸はいろいろ種類がありますが、特に金属を叩いて形を作る「鍛金」に力を入れています。金属工芸で使う道具の見極めは難しく、何を作りたいかを明確にすることが重要だと学びました。いずれはガラス工芸と金属工芸の技の両方を活かし自分らしい作品を作りたいです。
学生作品
イタリア出展
京都金属工芸協同組合理事長賞
「桐花有線七宝香炉」φ80×H120(mm)西村 真衣(工芸士4級)/ 高知北高校(高知県)出身
