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卒業生紹介 Graduate introduction

日本各地、世界各国で輝き、
受け継いだ技を未来へつなぐ卒業生たち。

伝統工芸の匠として、新しい工芸を創造する作家として、TASKの学びが一人ひとりの活躍の舞台を広げます。

ロクロ師・
伝統工芸士
前田 昇吾さん九谷焼窯跡展示館勤務
陶芸専攻/2006年卒業/大聖寺高校(石川県)出身

九谷焼の歴史の証人である窯跡から、その魅力と作る楽しさを発信。

陶芸作家

TASKを卒業して、石川県の工房に就職。そこで9年間、弟子として腕を磨き、縁があって「九谷焼窯跡展示館」で勤めることになりました。ここは国指定史跡の窯跡や現存最古の窯があり、九谷焼のさまざまな情報を発信する施設です。主な仕事はろくろ体験の指導や解説、観光客や学生が多いので、とにかくろくろを楽しんでもらい、この体験で楽しい旅の思い出づくりのお手伝いができるように心がけています。

焼き物職人として仕事をしていると、普段お客様と接する事がありません。しかし、ここでは目の前で技を披露したり、お話をして焼き物の魅力や面白さを伝えることができます。また来ますと言って、実際に来てくださる方がいたり、御礼の手紙をいただくこともあります。職人時代にはなかった喜びですね。またその一方で作品制作にも力を入れており、昨年は東京の銀座三越や大阪の阪急うめだ本店でのグループ展やイベントに出店しました。伝統工芸士にも認定されたので、これからもより多くの方に九谷焼の魅力を伝えていき、陶芸家として作品づくりも精力的に行っていきます。



前田さんのTASK時代

地域柄か中学時代、授業で陶芸がありました。その体験がTASKに入学するきっかけでもあります。いざTASKに入学してみると、中学時代とはレベルがまったく違っていました。まず先生方の技がすごい。自分たちが何度も繰り返して、やっと形になるところを、少し触っただけでできてしまうのです。まるで魔法のようでした。力を注いだのは、やはり実習。たくさん作ることで感覚をつかみ、技を習得していきましたね。TASKは全国から幅広い年代の人が集まり、いろいろな工芸を学んでいます。卒業後も伝統工芸に携わる同志として、たくさんの人とつながっていますよ。

彫刻家 荒木 真心さん宮本工藝勤務
木彫刻専攻/2018年卒業/西京高校(京都府)出身

木彫クリエイターとしての活躍を目標に、今は仏像彫刻の技を身につける。

木彫クリエイターとしての活躍を目標に、今は仏像彫刻の技を身につける。

まさか自分が仏像の道に進むとは思ってもみなかったです。ただ、実際にこの工房を見学させていただいて、すごく雰囲気のいい場所で、作品にも魅力を感じたので、お世話になることを決めました。仏像彫刻の世界にはこれまで踏み込んだことがなく、戸惑うことも多いのですが、TASKで学んだ木彫刻のベースがあるので、師匠も教えやすいと言ってくださっています。現在は置物を制作したり、仏像の修復を師匠に教わりながら、少しずつ覚えている毎日です。

TASK時代、木彫刻は楽しみとしてとっておき、一般の会社に就職しようかと思った時期もありました。しかし、今はものづくりで生きていく、ものづくりこそ自分に一番向いている職業だと確認しています。まずは、ここで高度な仏像彫刻の技術をしっかりと学ぼうと思います。そして、いつか木彫クリエイターとして、木彫刻らしさがありながら生活になじむ作品を生み出したいと思います。



荒木さんのTASK時代

今も大切にしている彫刻刀があります。それはTASKで最初に作ったもの。柄の部分を自分で削って作るのですが、たまたま堅い木があたったようでかなり苦労しました。それを4年間、実習で使い続けたのです。この彫刻刀は一生モノだと思っています。学校生活は毎日充実していました。特に楽しかったのは学園祭(松葉祭)です。自分の作ったアクセサリーや小物を販売していたのですが、目の前でいいねと言ってもらえたのは、すごく心に残っていますね。卒業制作で作った壁掛け時計は、京都府仏具協同組合賞をいただくことができ、最後にいい思い出ができました。

家具職人・
伝統工芸士
東 福太郎さん(有)家具のあづま 代表取締役
木工芸専攻/2007年卒業/粉河高校(和歌山県)→関西国際大学出身

常にめざしているのはナンバーワン。だから学び続ける、そして挑み続ける。

常にめざしているのはナンバーワン。だから学び続ける、そして挑み続ける。

家業は明治から続く桐たんす店です。20歳の頃、家業を継ぐと父親に告げるとどこかで修行して来いと一喝され、TASKに入学しました。入学当初は職人になるつもりはなく、販売するためには作ることも覚えておかないと、という感じでした。しかし先生方と良い関係を築けたこともあり、また負けず嫌いな性格もあって誰よりも技術の習得に夢中になり、どんどん上達していった気がします。学校にいる時に一番を取るのではなく、世間に出た時にナンバーワンにならなければ意味はない。学生時代から、そして今もそう考えています。だからこそ常に勉強し、新しいことに挑み続けています。桐たんすの枠を飛び越えてさまざまな企業とコラボするのもその一環。今も日本初のプロジェクトが進行中です。

夢は歴史と歴史をつなぐ点になること。父から教わった技やTASKで学んだ技を自分の教え子に継承すれば、私は歴史をつなぐ中間点になれる。私を通じて過去と未来が線になる。そういう役割を果たしたいです。



東さんのTASK時代

名匠と呼ばれるTASKの先生方をTASK時代私はずっとライバルだと思っていました。先生ができるのに、なぜ自分にできないんだって…。その時に言われたのが「あんた何日?ワシ何十年!」って言葉です。それが今も頭に残っていますね。失敗して落ち込んでいた時に、先生からまったくスケールの違う宮内庁の献上品などでの失敗談を聞き、なんて小さなことで悩んでいたんだと逆に励まされました。技、精神すべてにおいて、今の自分はTASKなしではあり得なかったと思っています。

金彩職人 永田 知子さん金彩荒木 勤務
京手描友禅専攻/2018年卒業/八幡中央高校(福岡県)出身

着物は飾れば平面、着れば立体。その計算も重要です。

着物は飾れば平面、着れば立体。その計算も重要です。

一部分ではなく全体を手がける工房で働きたいと思い、この工房を志望しました。高校では染色を学んでいたので、友禅の金彩というものは全く知らず、荒木先生と出会って初めて金彩だけで模様を考えることを知りました。金彩は友禅の仕上げ工程ですが、金彩工程だけで柄を表現する工房はあまりないと思います。また、この工房では、独自の金彩盛り上げ技法で着物や帯を制作しています。

着物はやっぱり模様が大事。それ次第で作品が決まってしまいます。着物は飾れば平面ですが、身につければ立体的なもの。そこもきちんと計算しなければいけません。模様を考える時は資料などを参考にしながらイメージを膨らませます。うまく頭に浮かべば楽しいですが、そうでない時もあります。そういう時は気持ちをリフレッシュさせて、少し時間をおいてから考えるようにしています。新たな模様を考えた時、先生が褒めるというより認めてくださる時が嬉しいですね。今後はまず先生のアドバイスが少なくなるよう上達したいです。そのうえで自分のオリジナリティのある画風を作っていきたいです。



永田さんのTASK時代

私の地元は九州・福岡県で、高校時代から着物の染色を学んでいましたが、着物の本場はやはり京都。だから京都で勉強しようと決心しました。ただTASKで習うのは染色ではなく友禅の技術。模様の付け方以前に、どんな模様があるのかも知らない状況でのスタートでしたが、下絵、引染め、挿友禅といったすべての工程を学ぶことができ、何もかも新鮮に感じました。普通なら絶対に入れない工房の見学もできましたので、TASKでの学びは今なお大きな財産になっています。