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京都伝統工芸大学校の設立の経緯1992年、国は「伝産法※」を改正し、伝統工芸産業の後継者を育成する支援を計画。国と京都府、伝統工芸産業界が一体となり、第三セクター(一財)京都伝統工芸産業支援センターを設立しました。後継者育成のための学校設立を検討し募集をかけ、協力に応じようと名乗りを上げたのが二本松学院です。そして、前述の(一財)京都伝統工芸産業支援センターによる全面的な支援を受けて「京都伝統工芸大学校」は誕生しました。しかし、伝統工芸の技と言うと、厳しい徒弟制度や世襲によって伝えられることが通念であり、伝統工芸の教育法も存在していません。その成果は誰しも半信半疑のスタートでした。軌道に乗るにつれ、若く新しい人材の輩出、各工芸同士の交流やコラボレーションなど、新しい潮流が生み出されました。産・官・学」の連携により全国でも唯一の卓越した技術力に、伝統を継承するだけに留まらず、新たな未来の可能性を広げています。伝統工芸を教育体系化し、技術力・創造性の豊かな人材を生み出すという、他のどんな団体も実現し得なかったことを、京都伝統工芸大学校は実現することができたのです。※正式名称「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」72